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リフォーム中の我が家。今日はタイル屋さんが来ている。
昔、9歳まで住んでいた港町の家の近所にタイル屋さんがあった。タイル屋さんの何軒か先にラーメン屋さんがあって、休みの日、家族でよくラーメンを食べに出かけた。タイル屋さんの前は、道の方まではみ出すように色とりどりのタイルの破片が散らばっていた。通りかかる度にその様を見るのが好きだった。タイルの欠片が宝石のように見えて、欠片を拾って、こっそり宝物にした。
もうお風呂にタイルを使う家はほとんどないと、今日来てくれているタイル屋さんが言う。需要が少ないから、供給も少なく、昔のように種類は多くないよ、とも。
もう何年も件の港町には行ってない。
幼い頃に住んでいた港町はすっかり寂れている。それでも思い出はキラキラしてるんだよなあ。きっと私は幸せだったんだな。